2008年3月20日木曜日

卓球雑記


■昨日から、大船渡に来ている。 


 毎週の日課なのだが、前後に大会や会議で出かけているとなんかあっという間に一週間


 がきてしまう気がする。 


 今週も土曜日は東京での会議があり、翌日は第6回の小学生オープンリーグが紫波町である。 


 今週もまた相変わらずいつものように駆け足の週となりそうである。



■日卓協理事会から 前のブログでは触れなかったが、今回の世界選手権で銅メダルを


 獲得した男女チームの監督・選手には規定に則り、一人40万円の研修補助金が支給され


 ることが決まった。



■卓球のニュースから (Google アラートより) 


 『早い話が:スポーツ海外派兵=金子秀敏』 


 北京五輪を目前に、気になる記事である。


 中国・広州で開かれた卓球の世界選手権の第3日、日本対ロシアの男子団体戦。


 「試合中に悪乗りした 観客がロシアを応援しながら、品のない言葉を日本に浴びせ」た。


 選手が動揺し、宮崎義仁監督は「後味は悪い」と語った。(2月27日付本紙運動面)


 応援の域を超えたやじは、競技妨害だ。


 この少し前、重慶のサッカー東アジア選手権でも観衆の反日ブーイングがあった。 


 中国卓球のやじはサッカーのブーイングより屈折している。


 日本チームの中で中国出身の韓陽、吉田海偉両選手が狙われた。 


 卓球王国の中国では実力があってもナショナルチームに入れないと、国籍を変えて外国


 チームでチャンスをつかもうとする。


 シンガポールや香港の有力選手はほとんど中国出身だ。


 中国では「海外兵団」と呼ばれる。 


 日本人は、米大リーグで活躍するイチロー選手に応援の拍手を惜しまない。中国人は


 そうではない。


 中国人選手が外国で活躍すると「外人の雇い兵になり下がった」と怒りだし、「叛徒(パントゥ)


 (裏切り者)」と悪態をつくのである。 


 海外兵団の先駆けで、かつて全日本女子チャンピオンになった小山ちれ(中国名、何智麗

 

 (ホーチーリー)選手が、中国で試合をすると、会場はやじの嵐だった。 


 広州では同じ日、女子団体で福原愛選手と韓国の唐〓序(タンイェソ)選手が対戦した。


 唐が勝ったが、会場は福原への声援一色だった。


 東北なまりの中国語を話す福原は中国でも人気者だ。


 だが、観衆が騒いだ主な理由は、唐が中国出身の海外兵団だったからだ。 


 大会の前、「中国青年報」紙に「私は小山ちれではない」と答えたきり、唐は中国メディアの


 取材を拒否し続けた。 世界選手権の後、香港で五輪アジア予選が開かれた。


 唐は中国の実力者、王楠(ワンナン)選手を破る 大金星をあげた。


 感情を表に出さない唐がガッツポーズをした。


 王は「北京で最大の敵は海外兵団」と語った。


 この分だと、北京五輪でもやじはなくならないだろう。 


 最近、国際卓球連盟は、国籍変更した選手の出場を厳しく制限するようにした。


 中国出身の選手ばかりだとほかの国の選手がチャンスを失うという欧州勢の突き上げが


 あったという。


 だが、そもそも中国人海外兵団に一番厳しいのは、中国人なのだ。(専門編集委員)



 『卓球平野にオジさんファン急増中』 


 卓球の北京五輪日本代表平野早矢香(22=ミキハウス)が14日、中年男性ファンが急増


 していることを明かした。


 この日、都内で卓球専門誌「卓球王国」の授賞式が行われ、平野は3年ぶり2度目の「プレ


 ーヤー・オ ブ・ザ・イヤー」を受賞した。  


 本年度は日本選手権シングルスで連覇し、今月まで行われた世界選手権団体戦では9勝1敗


 の活躍で、銅メダル獲得の原動力になった。 


 大会後、所属先に激励メールが96件、ファンレターが3通届いたという。


 平野は「文章の感じからして年配の男性が多いと思います。


 おじさん受けがいいんですかね」と笑顔。


 日本のエース福原愛に、人気面でも迫る勢いだ。


                             [2008年3月15日9時23分 紙面から] 




『【明解要解】4月開校 スポーツのエリートアカデミー』   

                                                  2008.3.14 08:29      「ジュニアからの英才教育始動」 


 スポーツ界の悲願だったナショナルトレーニングセンター(NTC=東京都北区)が1月に


 本格稼働し、北京五輪に向けた選手強化で積極的に活用されている。  


 だが、NTCへの期待は選手強化ばかりではない。長期的な視点で日本の競技力を高める


 3つの事業への期待も高まる。 


 指導者育成を図るナショナルコーチアカデミー、引退後の選手らの生活設計を支援する


 キャリアアカデミー、そしてジュニア世代を集めて英才教育を行うエリートアカデミーだ。 


 中でもエリートアカデミーはNTCの試金石ともいえる試みとなる。 


 エリートアカデミーは寄宿制で一貫指導し、トップ選手を英才教育で育成する事業で、4月から、


 まず卓球とレスリングで開校する。 


 生活費や学費は日本オリンピック委員会(JOC)が負担。


 卓球では2001年秋から、各年代別に代 表チームを結成し、強化を図っており、今後は


 NTCを拠点に、英才教育の徹底を図る方針。 


 初年度は男女計6人の中学生でスタートを切る。普段は近隣の中学校に通い、NTCで専任


 コーチの下で練習し、高校卒業までに日本代表の水準に到達させるのが目標だ。 


 意思疎通能力やリーダーシップなど、人間的資質を磨くプログラムもあり、前原正浩・日本


 卓球協会強化本部長は「選手としてだけでなく、世界に通用する人材を育てたい」といい、


 「強くなるにはこのシステムしかない」と訴える。  


 そこには苦い思いがある。 


 1952年から79年まで世界選手権で金メダルを獲得してきた日本卓球界。


 だが、85年から95年まではメダル獲得さえ逃す状況が続いた。


 原因は88年ソウル五輪から五輪正式競技になり、各国が強化に力を入れた一方で、日本は


 計画的に選手養成を図ってこなかったことが挙げられる。 


 ジュニアからの一貫指導システムへの取り組みは、まさに教訓を生かした挑戦でもあるのだ。


 2月1日、このエリートアカデミーに参加する選手とその保護者への説明会がNTCで開かれた。


 卓球では、女子が現在中学1年の2人、男子は小学6年の4人。 


 レスリングは小学5年から中学1年の5人(男子1人、女子4人)が参加した。 


 4月から親元を離れてNTCで寝食を共にし、専任コーチの下で練習に励む上に、先輩のいな


 い初めての試みとあって不安もあるだろうが、レスリングの小学6年、白井勝太くん(福井県)


 は「五輪で5連覇するのが夢。強い人がいっぱいいる環境で練習できる。不安はない」。  


 卓球の小学6年、田添健汰くん(福岡県)も「(卓球場は)とても広く、あそこで練習できることが


 うれしい。


 五輪ではメダルが目標」と力強く「夢」を訴えた。 


 他方で、実績のない初の試みに不安をもち、辞退した者もいたという。 


 JOCの福田富昭選手強化本部長は「優秀な選手の中には、強豪高校への進学を決めた選手


 もいて完全に調整できなかった」と打ち明ける。


 実績のある強豪校への進学よりもリスクの高い選択との見方もあるのだ。 


 それでもリスクを覚悟で参加を決めた理由には生活費や学費などの負担がないことも大きい。


 レスリング女子の中学1年、宮原優さん(富山県)の父、稔さんは「資金面が一番ネックになる


 部分でした。 


 非常にありがたい」と説明。さらに海外遠征や、NTCに隣接する国立スポーツ科学センターから


 医科学などの支援を受けられることも理由の一つだという。 


 学校や企業を中心にした日本型の強化システムは限界に来ており、少子化も迫る。


 そうした“閉塞(へいそく)環境”を打開すべく、スポーツ界は新たな強化システムの確立に挑む。


 もちろん将来の五輪選手を夢見る小さな選手たちの期待にも応えねばならない。  

                                   

                                      (運動部 金子昌世、西尾美穂子)

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